キジログ@愛

キジちゃんがその隠しきれないバード愛について語るブログ

ボサノバの名曲『Chega de Saudade(ジェガ・ジ・サウダージ)』の様々なアレンジをご紹介

音楽は素晴らしい。どうも、キジちゃんです。( ´_ゝ`)

さて私事なのですが、昨年末にJAZZライブを見に行きましてですね、やはり音楽は良いなあと思ったのです。(小並感)

そのライブで演奏された中で私が大好きな曲がありまして、それが掲題の

『Chega de Saudade(シェガ・ジ・サウダージ)』

という曲です。

ライブでの演奏にとても感動したので、今日はこの曲をご紹介させて頂こうと思います。

『シェガ・ジ・サウダージ』はアントニオ・カルロス・ジョビンにより作曲され、ジョアン・ジルベルトの独自の奏法と歌声で一躍有名になった曲です。「ボサノバの始祖」とされる曲でもあります。

原曲はポルトガル語の歌詞ですが、後に英詞に訳され『No More Blues』のタイトルでも発表されています。(ちなみに邦題は『想いあふれて』)

(※これらの詳細は記事最下部の参考リンクをご参照下さい)

ボサノバとしての最初の曲であると同時に最も有名なボサノバのスタンダート曲でもあります。そして後に多くのアーティストにカバーされて来ました。

今回はそんなアーティストごとの各アレンジ動画をご紹介していきます。
お時間のあるときにでもそれぞれの違いをごゆるりとお楽しみ頂ければ幸いです。

たくさん動画を貼りますので重いですがご容赦下さい。

(歌詞は最下部に貼ってあります)

Elizete Cardoso(1958年/再生時間3:28)

このバージョンがこの曲にして史上初のレコーディングだったようです。
サンバの女王と謳われたリオの歌手エリゼッチ・カルドーゾによるテイクです。

バックのギターは後述のジョアン・ジョルベルトによるもので、聴けば確かに以降のボサノバに通じるものがありますが、全体の雰囲気はどちらかといえば歌謡曲的な印象の方が強いです。作曲者のジョビンからしても「なんか違う」という事で、このテイクが後のジルベルト版の録音に繋がっていきます。

なお当時無名だったジルベルトですが、サンバの女王たるカルドーゾの歌い方についてあれやこれやと注文を付けていたそうです。醸し出される大物感。*1

【参考】ジルベルトがカルドーゾのバックを努める貴重な映像⇒Elizeth Cardoso & Joao Gilberto - YouTube(再生時間0:37)

Joao Gilberto(1958年/再生時間2:03)


まさにオリジナル、そして最初のボサノバであるジョアン・ジルベルト版です。

ジョアンのバチーダ奏法*2と語りかけるような歌唱法はその後のボサノバ演奏のスタンダードとなります。

ボサノバはやはり「作曲:アントニオ・カルロス・ジョビン/歌とギター:ジョアン・ジルベルト」のコンビがオリジナルにして至高ですね。何度聴いてもオリジナルは良いです。

ちなみに「ボサ・ノヴァ」 というのはボルトガル語で「新しい感覚*3」という意味で、ジョビン&ジルベルトによるこれまでになかった洗練された都会的サウンドはこの後急速に世界へと浸透していきます。

Lisa Ono(1998年/再生時間3:40)

ボサノバのギター奏者&歌手として世界的に有名な小野リサのバージョン。1998年発表のアルバム『ボッサ・カリオカ』からのテイクです。

原曲を崩さない比較的スタンダードなアレンジなのですが、女性ヴォーカルならではのやわらかさ、そして爽やかさがなんとも心地のよい楽曲です。

この曲は哀愁の歌なのですが、それをもすら軽やかに聴かせてくれる小野リサの優しく暖かい歌声が聴き所です。

Eliane Elias(2010年/再生時間10:40)

ブラジル出身のピアニスト&歌手のイリアーヌ・イリアスによるライブテイクです。
このアレンジはボサノバというより完全にJAZZですね。

哀愁漂うギター独奏から始まり、2:07頃にピアノ・ベース・ドラムのトリオへと変遷しますが、この時の「入り」と以降3人の間を流れ続けるサンバのリズムをベースとした緊張感・躍動感が個人的には終始鳥肌モノで「これぞJAZZ!」といった感じで音にどっぷりと浸れます。いやー、音楽っていいものですね。

10分以上ある演奏ですが、皆様には是非とも通しでゆっくりご覧頂きたい動画です。

おまけ ~ ジョビン&ジルベルトの再会(再生時間4:40)

大変珍しいジョビンとジルベルトの二人だけによる演奏です。

いつ頃の演奏かは分かりませんが、老齢の二人による演奏にはなんとも言えない哀愁(Saudade)が漂っていますよね。

 

1958年、31歳と27歳という若い二人が作り上げた新しい音楽「ボサノバ」は、今や音楽の一ジャンルとして世界で広く認知されています。

半世紀以上を経てもなお色褪せないこの音楽を、皆様もいま一度深く味わってみてはいかがでしょうか。(キジちゃん)

 

f:id:gibraltar_may_tumble:20180105170854p:plainJoão Gilberto, Antonio Carlos Jobim

 

【歌詞・引用・参考元 】

歌詞

Vai minha tristeza e diz à ela
Que sem ela não pode ser
Diz-lhe numa prece que ela regresse
Porque eu não posso mais sofrer
Chega de saudade, a realidade é que sem ela
Não há paz, não há beleza, é só tristeza
E a melancolia que não sai de mim, não sai de mim, não sai

Mas se ela voltar, se ela voltar
Que coisa linda, que coisa louca
Pois há menos peixinhos a nadar no mar
Do que os beijinhos que eu darei na sua boca

Dentro dos meus braços os abraços hão de ser milhões de abraços
Apertado assim, colado assim, calado assim
Abraços e beijinhos e carinhos sem ter fim
Que é pra acabar com esse negócio de viver longe de mim
Não quero mais esse negócio de você viver assim
Vamos deixar desse negócio de você viver sem mim

悲しみさん 彼女に言ってやってくれないか
おまえなしでは駄目なんだと
お願いだから 戻ってきてくれと
僕は生きていけないよ

思い出はもうたくさん
彼女なしでは
心の平和はあり得ない
この世にはどんな美もあり得ない
それにしても
終わりがないのは
僕の中に巣くっている この悲しみ
この憂鬱

でも 彼女が帰ってきてくれるなら
ああ こんなすばらしいことはない
海に泳ぐ魚の数よりも
もっとたくさんのキスをして

この両腕にしっかりと
彼女を抱きしめて
なにもいわずに
その身体の温もりを
深く深く
吸い込むだろうに
飽きるほど抱擁し
キスをして
愛撫の雨を降らせてやれるのに

そんな生き方はさせないよ
僕と離れて生きるなんて
独りになど
させておいたりしないのに
そんな生き方はやめるんだ
僕と離れて生きるなんて

 

【引用、参考元】

シェガ・ジ・サウダージ / 想いあふれて | 3人の天才が創造した究極のサウダージ!

バチーダ奏法|ボサノヴァ、サンバ ミュージックを語る上で欠かせないギター奏法。その秘訣に迫ります!

ボサノヴァ - Wikipedia

Chega de Saudade(想いあふれて): Bossaなタンコのてくてく日記

*1:ジョアン・ジョルベルトは当時から変人として知られており、様々な逸話を持っています。来日公演時、彼の意向により横浜アリーナの空調を全て止めさせた話などは有名。

*2:ジルベルト考案のギター奏法。親指でベース音を弾き、残りの指でコードを奏でるアレ。燻っていた時期のジルベルトが風呂桶の中に座りながらギターを弾いている最中に思いついたとか。やはり変人ですね。

*3:Bossaは「新しい」、Novaは「感覚」や「傾向」といった意味になります。